施設管理(ビルメン)の仕事は多岐にわたり覚えることが多い

基本知識

ビルメン(設備管理)の仕事は多岐にわたり、専門用語もたくさんありますが、初心者向けにビルメンでよく使う用語を分野別に解説します。

1.配線用遮断器の重要な役割


一般的には「ブレーカー」と呼ばれます、電気回路の安全性を確保するための重要な装置です。電流が過大な場合、自動的に遮断して電気火災を防ぐ役割を果たします。

配線回路の遮断や点検作業で使用され、異常が検知されると素早く電気を遮断し、電気機器や建物の損傷を防止します。

過電流保護機能を備え、短絡や過負荷時に回路を切断します。これにより、電気設備や機器の安全な運用を保つと同時に、人や財産の安全を確保します。

配線用遮断器:
・一般的には「ブレーカー」とも呼ばれます。
・配線回路の遮断や点検作業で使用されます。
・電流が過大な場合、自動的に遮断して電気火災を防ぎます。

2.電気テスターの役割と使用時の注意点


電気テスター(または回路計)は、電気回路の状態や状況を知るために使用される計測機器です。電圧、電流、抵抗などを測定することができます。以下に、電気テスターの基本的な使い方と注意点を詳しく解説します。

テスターとは?
電気・電子回路の状態または状況を知るために、電圧・電流・抵抗などを測定(テスト)する計測機器を指します。

回路計、回路試験機などとも呼ばれ、英語ではMultimeter、VOM(Volt-Ohm-Milliammeter)と呼ばれます。

電気工事や設備メンテナンスなどで主に用いられ、個人では車・バイクの整備などにも用いられます。

・アナログテスターとデジタルテスター

アナログテスターは測定結果を指針で表す回路計です。電圧・電流だけなら電池がなくても測定できるのがメリットですが、機能が限定され、精密さでデジタルテスターに劣ります。

デジタルテスターは測定結果がモニターに数値で表示されます。明確に数値化されるため、測定者によるデータの差異が少なく、精度も高いです。

基本的な使い方
交流・直流電圧測定:電圧を測定する方法です。直流電圧(DCV)と交流電圧(ACV)を測定できます。
抵抗の測定:抵抗(導通)を測定する方法です。
直流電流の測定:電流を測定する方法です。直流電流(DCA)を測定できます。
交流電流の測定:デジタルテスターを使用して交流電流(ACA)を測定する方法です。
導通のチェック:回路が電気的に繋がっているかチェックするための機能です。
ダイオードテスト:LEDなどダイオードの状態を確認する際に使用します。
周波数測定:電気回路の周波数を測定できます。

注意点
損傷がある状態で使用しない。
電流測定の状態で電圧を測定しない。
定格以外を使用しない。

3.クランプメータ(架線電流計)の役割 


電流を非接触で測定する機器です。導体の周りにクランプを取り付けることで、配線や機器の電流を直接測定することが可能です。このため、配線を切断する必要がなく、作業効率が向上します。

主に配線や機器の漏電調査に使用されます。電流の漏れや過大な電流を検知し、異常がある場合には迅速に対処することができます。また、配線や回路の点検や保守作業にも活用されます。電線を挟んで測定するため、安全に作業を行うことができます。

クランプメータは、電気設備や機器の安全性を確保する上で重要な役割を果たします。非接触での測定により作業効率が向上し、安全な作業環境を提供します。

クランプメータ(架線電流計):
・電流を非接触で測定する機器です。
・配線や機器の漏電調査に使用されます。
・電線を挟んで測定するため、配線を切断する必要がありません。

4.絶縁抵抗計の主な役割


一般的には「メガー」として知られています、電気回路の絶縁状態を測定するための重要な機器です。電気設備や配線の絶縁が劣化すると、漏電や火災の原因となる可能性があります。メガーは、この絶縁状態を評価し、安全性を確保するために使用されます

メガーは、メガオーム(MΩ)単位で絶縁抵抗を測定します。絶縁が劣化している場合、絶縁抵抗が低下し、測定値が低くなります。一般的に、高い絶縁抵抗値は良好な絶縁状態を示し、安全な電気設備を確保するために重要です。

メガーは、定期的な点検や保守作業で使用され、配線や電気機器の絶縁状態を評価する際に欠かせない機器です。適切な絶縁抵抗値を維持することで、電気設備の安全性を確保し、漏電や火災のリスクを最小限に抑えることができます。

絶縁抵抗計(メガー):
・電気回路の絶縁状態を測定する機器です。
・絶縁が劣化していると、漏電や火災の原因になります。
・メガオーム単位で絶縁抵抗を評価し、安全性を確保します。

5.給排水設備は建物内の水を管理


建物内の水の供給と排水を管理するための重要なシステムです。以下にそれぞれの要素を詳しく解説します。

1.給水設備

給水管:上水道から建物内に水を引き込むための配管です。一般的には地下に埋設されています。建物内に水を供給する役割を果たします。

貯水槽:上水道から引き込んだ水を一時的にためるためのタンクです。水の需要が急増した場合や、水道管のメンテナンス時に備えて、一定量の水を確保します。
給水ポンプ:貯水槽から建物内に水を供給するためのポンプです。水圧を調整し、建物内の各部に適切に水を供給します。

給湯設備:お湯を供給するための設備で、温水を使用するシャワーやシンクなどに給湯します。給湯器やボイラーが一般的な給湯設備の例です。

2.排水設備

排水管:台所や浴室、トイレなどで使用された水を建物外部の下水道に流すための配管です。排水管は水の流れを確保し、建物内の衛生を維持します。

通気管:排水管の通気を確保するための管で、排気やガスの逆流を防ぎます。通気管は通常、排水管の上部に設置され、建物内の空気圧を調整します。

排水槽・排水ポンプ:地下室や地下に設置され、汚水を受け取り、外部の下水道に排出するための設備です。排水ポンプは場合によっては必要な場合に排水を押し上げるために使用されます。


給排水設備の正常な機能は、建物内の快適さや衛生状態を維持するために不可欠です。定期的な点検やメンテナンスを行い、水の供給や排水がスムーズに行われるように管理することが重要です。また、水質管理も欠かせず、ビルの環境衛生を維持するために常に注意が必要です。

6.空調設備は快適な室内環境を維持する役目


空調設備は、快適な室内環境を確保し、居住者や利用者の健康と生産性を向上させるために不可欠です。以下にそれぞれの空調設備を詳しく解説します。

1.パッケージ型エアコン(PAC):
一般的に家庭やオフィスなどの小規模な空間で使用されるエアコンです。
壁や天井に取り付けられ、空調ユニットが一体化しています。
冷房や暖房、時には加湿や除湿機能も備えており、季節や環境に応じて室内の温度や湿度を調整します。

2.エアハンドリングユニット(HAU):
大型施設や商業ビルなどの広い空間で使用される空調装置です。
空気を取り込み、フィルタリングし、冷暖房を行います。
外気や循環気を取り込んで室内の空気質を改善し、快適な環境を維持します。

3.ファンコイルユニット(FCU):
室内の温度を調整するために使用される装置です。
ファンとコイルを組み合わせており、空気を冷やしたり暖めたりします。
一般的には各部屋や各エリアに設置され、個別の温度制御を可能にします。

これらの空調設備は、適切に管理されることで効率的に動作し、エネルギー消費を最小限に抑えながら快適な室内環境を提供します。定期的な点検や清掃、メンテナンスを行い、故障や劣化を予防することが重要です。

また、適切な設定と制御を行うことで、エネルギーの無駄を減らし、環境にも配慮した運用が求められます。

7.消防設備は建物設備を火災から守る


消防設備は、火災の早期鎮火や被害の最小化、そして人命の保護に重要な役割を果たします。以下にそれぞれの消防設備を詳しく解説します。

1.スプリンクラー設備:
火災が発生した際に自動的に作動し、水を噴射して火災を鎮火する装置です。
建物内の広範囲をカバーし、火災が拡大する前に火元を冷却し、燃焼を抑えます。
スプリンクラーは一般的に天井に設置され、高温で溶解するフューズが火災を検知すると水を放出します。

2.消火器:
手動で使用する小型の消火装置で、火災初期段階で鎮火するのに役立ちます。
様々な種類があり、水、乾燥化学物質、二酸化炭素などの消火剤を使用します。
火災が発生した場合、消火器を正しく使用して燃えている物質に消火剤を噴射し、火災を鎮火します。

3.自動火災報知設備:
煙感知器やヒートディテクターなどの検知装置を使用して、火災を検知し、警報を発する装置です。
火災が発生したことを早期に警告し、建物内の人々が適切な対応を取るための時間を与えます。

自動火災報知設備は一般的に建物内の各部屋や廊下に設置され、火災の早期発見と避難を支援します。
これらの消防設備は、火災の被害を最小限に抑えるために定期的な点検と適切な保守管理が必要です。

定期的な点検やメンテナンスを行い、装置の正常な機能を確保することが重要です。

また、定期的な訓練や火災対策の意識向上も不可欠です。

施設管理(ビルメン)の仕事は多岐にわたり、覚えることが多いです。

上記も含めその他にも覚えることを簡単にまとめました。

まとめ

設備管理: 建物内の設備や機器の点検、保守、修理を行います。給排水設備、電気設備、空調設備など様々な設備の管理が含まれます。

清掃管理: 建物内外の清掃やゴミの処理を担当します。定期的な清掃や特殊清掃、廃棄物の分別などが含まれます。

セキュリティ管理: 建物のセキュリティシステムの運用や監視を行います。警備員の配置やセキュリティカメラの点検などがあります。

緊急対応: 火災や地震などの緊急事態に迅速に対応し、避難誘導や消火活動を行います。緊急時の対応手順を把握しておく必要があります。

顧客対応: 利用者や入居者からの要望や苦情に対応し、問題解決や改善策の提案を行います。円滑なコミュニケーション能力が求められます。

予算管理: 施設運営に必要な経費や資材の調達、予算の管理を行います。効率的な予算の使い方を考える必要があります。

法令・規制の遵守: 建物や施設の運営に関する法令や規制を遵守し、安全な環境を維持します。建築基準法や消防法など、様々な法令に対する理解が必要です。


施設管理の仕事は多岐にわたり、様々なスキルや知識が求められます。業務の多様性に対応するために、継続的な学習と情報収集が重要です。

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